システム思考プログラム

クマヒラセキュリティ財団は、経産省「『未来の教室』実証事業」に参加しました。

2018年の10月より、クマヒラセキュリティ財団は、経産省の「未来の教室」実証事業⋆1に、「就学前からチェンジ・メイカーを育てる『システム思考』教育実証」*2として参加しました。この実証事業は、アメリカで行われているシステム思考教育を参考に日本の子どもたち向けのプログラムを開発し、実際に行ってみてその効果を検証するというものです。様々な方や3つの幼児施設の協力を得て実施することができました。

システム思考⋆2は複雑化する社会の中で問題解決するのに有効な方法ですが、日本では成人教育の一環として行われ、教育を受けた多くの成人は習慣化の難しさを感じるといわれています。今回の実証事業では、こどもたちが6回のレッスンを受けることで、自分の言葉で時間の経過に沿って起きたことを以前より上手に話すことができるようになった姿が見られました。今回のレッスンで、システム思考の習慣*3を身に着けるファーストステップを歩んでいる様子がうかがえました。

システム思考の教育の方法やテーマは多岐にわたり、今回の実証事業で扱ったテーマだけでなく、自分の経験や身近な動植物をとらえて学ぶことも可能です。クマヒラセキュリティ財団では、今回の実証事業の経験を踏まえて、これから日本でも幼児や小学生を対象に、システム思考教育教育を行っていくことは、これからの社会に生きる子どもたちに重要な意義のあることと考えます。

 

動画1~3はこちら → https://www.kumahira.org/videos

 

動画1:昭和こども園の取り組み風景

システム思考教育のレッスンでは、「時系列変化パターングラフ」というグラフを作成する練習を行いました。このグラフは、縦軸に変わるもの(葉の数や暖かい寒いなどの気温や、気持ちの変化など)をおき、横軸に時間を置きます。子どもたちが戸惑ったのは最初の1・2回。3回目にはすぐに作成できるようになり、グラフを見ながら説明ができるようになりました。この園ではレッスンの6回のうち4回は絵本を読み、そのストーリーを、主人公の気持ちを縦軸に置いてグラフに作成しました。レッスンごとに子どもたちはスムーズにストーリーを説明できるようになり、使う言葉が増えていく様子が見られました。

 

動画2:昭和こども園の事前事後アセスメント風景

アセスメントでは、子どもたちに、まったく同じ質問を3種類、レッスンを受ける前と終了後に行いました。最初は12月で、初めて会う人に初めて聞かれた子どもたちは緊張しつつ一生懸命に答えてくれました。1月のレッスン終了後になると、子どもたちは質問者に慣れ質問の内容もわかって自信をもって答えることができ、まるで別人のような表情の違いと豊かな言葉使いを見せてくれました。短期間ですが、子どもたちの成長ぶりには本当に驚かされます。

 

動画3:フローレンスのお二人のインタビュー風景

今回の実証事業を行うのに、最初、米国の先進事例や開発したデジタル教材がそのまま日本の子どもたちにも使えるだろうかという不安がありましたが、現場の保育士の先生方に一緒に取り組んでいただき、解決できました。最初のプロトタイプのレッスンを行い、先生方と子どもたちの反応を見ながら意見を交換し、作り替えていきました。終了後に先生方の感想を伺うと、これから子どもたちがより幸せになれるよう自分の人生を作っていくために、システム思考教育のような自分で考える方法を学ぶレッスンを行うことは意味があるのではないでしょうか、例えば保育園の身近な経験を「時系列変化パターングラフ」で作り、子どもたちで話し合うようなレッスンを行う等のアイデアも出してくださいました。